花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー
「再会に乾杯。」
葉山は環のグラスに自分のグラスを合わせると、ウイスキーを口にした。
初めて会ったときのように、やはり何を話したらよいのか分からない。
しかし今は仕事として葉山と対峙しているのだから、愛想を振りまかなければならない。
環は小さく微笑み、葉山の顔をみつめた。
しかし環が口を開く前に、葉山がぽつりとつぶやいた。
「綺麗です。」
「・・・え?」
何を言われているのかわからずぽかんとしている環に、葉山は再び同じ言葉を告げた。
「環さんが綺麗だと言ったんです。」
「あ、ありがとうございます。」
うろたえる環に葉山は微笑み、そして真顔に戻った。