御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
お見合いの件はわかったが、どうしてももう一つのことが心に残る。


「川田親子についてはわかっただろう? でもおまえの様子がおかしいことは両家の挨拶前から気が付いていた。何を悩んでいるんだ?」


仁は気が付いていたんだ。でも、原因は分かっていないのね。
彼にとって『愛し合う』という行為はただの性処理なの?


まず、順番に話を聞いてもらおう。


「仁に知ってもらいたいことがあるんだ。長くなるんだけれど、まず全てを聞いてほしい……」


私は圭衣と美愛に伝えたように、彼にもありのままを告げる。


生みの親のこと。振り向いてもらいたいから、愛して欲しかったから、いつも『いい子』でお行儀もよく、保育園で出るお勉強のプリントも頑張った。でも、おばあちゃんの死と共にあの人たちに私は捨てられたこと。そして、ジェイドとの歪んだ関係と養女であることを否定された件も。


「……、だからもう誰とも付き合いたくなかったし、深く関わりたくなかった。でもね、仁のことを知るたびに好きになっていって、初めて愛し合えた時、とても嬉しかったんだけれど……」


そっと仁の様子を伺ったが、眉間に皺を寄せてじっと話を聞いている。やっぱりわかっていないみたいだ、私を傷つけた彼の行動に。フーッと息を吐き、話を続けた。


「愛し合った後、仁はいつも黙ってどこかに行っちゃう。気がつくと私一人残されている。その次に会っても、どうしていなくなったかも言わないし。だからこの関係は仁にとってゲームなんだって思った。喫茶室で聞いて確信したの、やっぱり騙されていたってね。あたしは仁のセフレなんだって」


その後、橋へ行き、記憶がなく気が付いたら病院にいて、その時妊娠していることも知った。


「ねぇ、どうしていつも私を一人にして出て行っちゃったの? あたしが仁の誘いをずっと断り続けたから、その仕返しなの? やっぱりあの時、川に飛び込んでいれば……」


ホルモンの変化によるものか、感傷的になってまた泣いちゃった。本当に最近よく泣くよね、あたし。
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