御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹 葉子と仁の物語

大学卒業後、九条ホテル不動産で8年各部署で働いた。もちろん清掃員としても。社員としての最後の仕事は、ミッドタウン開発の一部にあたるホテル9(クー)プロジェクトになった。親父の後を継ぎ、三年前に社長に就任し、ホテル9(クー)も無事二年前にオープン。業績と知名度も上がっている。




仕事でも成果、業績を上げているが、俺の中でここ最近、今一つ満たされない。今までは女性をベッドに誘えば済んでいたが、今ではそれでも何かが足りずにいる。


結婚して表情が柔らかくなった涼介と、小さかったお姫様と再会し婚約した雅を見ていると、羨ましくなった。


そんな時出会ったのが葉子ちゃん。一目見て、彼女から目が離せなかった。彼女は年齢こそまだ若いが、自立した女性で、何より俺や仲間たちに媚びない。その点では圭衣ちゃんと姫ちゃんと同じ、さすが花村姉妹。





会社以外で仕事の話をできる女性も初めてだった。俺の周りに寄ってくる女性たちは、仕事より自分磨きに忙しい。ショッピング、エステ、ネイルに食事、全て親にお金を出してもらっているお嬢様。それに対し、葉子ちゃんは高校時代から休暇になると、お父さんであるジョセフさんの会社でインターンとして働いていた。実際、彼女が大学進学する前に、ジョセフさんが彼女に卒業後のポジションを打診したくらいだ。


これからの俺の人生、彼女と公私を共にしたい。たとえ職種は違えど、お互いを支え合うことができるから。