御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹 葉子と仁の物語

彼女

幼い頃、両親と一緒に過ごした記憶がない。6歳で正式に花村家の一員となる日まで。




東京の下町に生まれた私。小さいながら祖母が持っていた土地に、祖母と両親、家族四人と猫一匹で住んでいた。両親は共働きで忙しく？、祖母が私の世話をしてくれていた。あの人たち(両親)はまず週末でも家にいることはなく、お互い着飾って別々に出かけるのを幾度も目にしている。今思えば、不倫していたのだろう、お互い公認の。




保育園の帰り、大好きだった祖母と図書館へ行った後、商店街で買い物をするのが常で、一店舗ずつ挨拶しながら活気溢れる商店街を歩いたのが、今では懐かしい。祖母に頼まれ近所の人のお手伝いも喜んでした。後にこの礼儀正しい行いが私の運命を分けたということは、もちろんその時は知る由もなかった。




祖母からはたくさんの愛情を受け、基本的な礼儀を教えてもらった。挨拶をする、困った人に手を貸す、嘘をつかないなど、本来なら親に教えてもらうこと。残念ながら唯一できなかったのは料理。これは母さまから教えてもらっても、壊滅的だったという黒歴史。