御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
第1章:第一印象

初めてのことだった。

一体俺はどうしてしまったんだろう?




彼女と出会ったのは、俺たち慶智(けいち)の王子の一人で親友の(みやび)と婚約者である姫ちゃんこと、美愛(みあ)ちゃんに起きた問題を仲裁した時だった。話し合いの場に俺のホテル、ホテル9(クー)の会議室を提供し、姫ちゃんの付き添いで来たのが彼女、葉子(ようこ)ちゃん。


艶やかなショートヘアの黒髪を耳にかけ、美しい顎から首のほっそりしたラインがさらに強調されていた。オフホワイトのニットにデニムを合わせたカジュアルな装い。フラットなパンプスを履き、身長は俺より2〜30センチ位低いと思う。165くらいか? 女性にしては背が高い。


彼女の外見はもちろん、ただそこにいるだけで分かる凛とした姿は、知的な内面の美しさが溢れ出ている。


確か彼女は姉の圭衣(けい)ちゃんとアパレル会社を共同経営していて、副社長の役職に就いているって聞いたな。しかも、23歳という若さだが、三姉妹で一番経営の才があるとも。


一見クールで大人びて見える女だった。

だが――姫ちゃんに向けた、あの笑顔。ひまわりみたいに、無防備で、無邪気で。その瞬間だけ、周囲の空気が一気に明るく弾けた。

……ああ、そうか。俺は、この笑顔にやられたんだ。

胸の奥が、じわりと熱を帯びる――そうじゃない。喉が、焼けつくように渇く。同時に、心臓が強く打ち鳴らされる。

なんだ、この感覚は。

知らない。

だが目が、逸らせない。

いや、

逸らす気にならない。

気づけば、視界の中にいるのは、あの女だけだった。

――逃がすかよ。

無意識に、そう思っていた。

これが恋なのかどうかなんて、どうでもいい。ただひとつ、確かなことがある。俺はもう、あの女から目を離さない。






< 3 / 118 >

この作品をシェア

pagetop