御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語

彼女

あの大きくてゴツゴツした手の感触と安心感が、未だに忘れられない。仁に直接聞いたわけではないが、美愛からの話で、あの手は仁だと確信している。




勢いに任せ付き合うことになった私たち。12月はお互いに忙しく、LIMEメッセージや電話でのやりとりが多かった。年が明けた1月から、彼からの積極的なアプローチで、LIMEなどでの連絡はもちろん、食事や少しの時間でもお茶をしたり、一緒に過ごしている。思いの外、彼との時間は心地よい。


私の中の警戒心が、次第に薄れていっているのに気がつく。


自分の変化に正直戸惑っている。あれほど頑なに、仁を私のテリトリーに入れないと決めていたのに。


こんなはずではなかったのに……。


それはきっと、クリスマスとお正月に3姉妹が集まって、彼女たちの話を聞いたことも大きかったんだろう。彼女たちはお互いに両思いで、納得してお付き合いをし、美愛は雅さんともうすぐ結婚する。雅さんも大和さんも、彼女たちを甘過ぎるほど溺愛しているのが見ていてよくわかった。


私も愛されたい。


だって私たちの場合、納得したのは同じだが、理由が不純だ。一種の賭け事のようなものだから怖いのだ。私たちが上手くいかず別れた時が。これまでの交際と違い、今回は私一人の問題ではなく、家族まで巻き込んでしまうから。雅さんと大和さんは仁の大親友でもあり、彼らの家族は『大家族』のようなもの。
< 53 / 118 >

この作品をシェア

pagetop