ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜7
「そういえば、エリナは猫の姿の時には飛べないのか? 飛んでいるところを見たことがないが」

 妖精獣であるルディは、エリナのおかげで空を飛べるようになり、フェンリルの姿で彼女を乗せて、何度も空を飛んでいる。星まで飛んで行ったことすらあるのだ。
 だが、フェアと名乗る白猫ケット・シーの姿で夜中に屋根から屋根へと飛び移って練習し、先に空を飛べるようになったエリナは、まだルディの前で飛んだことがない。

 彼女は「飛べることは食べるけどにゃあ……」と言葉を濁した。

「まだ獣化に慣れていないせいか、子猫で力がないせいか、思うように飛べないんですよね」

 エリナは「行くにゃ!」と気合を入れて飛びあがると、四つ脚で空中をかいた。ひょい、ひょい、とまるで犬かきのようにがんばっていると、子猫の身体がふよふよと漂ってルディの方に近寄っていった。

「んにゃ、んにゃ、んにゃ、んにゃ」

 ふよふよふよふよとやって来た子猫をじっと見ると、フェンリルは何を思ったのか前脚を持ち上げて肉球でたふっと叩いてしまった。

「んにゃあっ」

 ベッドに落下したエリナを見て、ルディは「あっ、しまった!」と顔を青くする。
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