ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜7
「すまなかった、ついうっかりやってしまった」

「うにゃあああーっ、何をするにゃん!」

 子猫は全身の毛を逆立ててシャーッと威嚇した。

「いやその、違うんだ、そんなつもりではなかったのだ」

「じゃあ、どんなつもりにゃん! ルディさんに見せるためにがんばって飛んで見せたのに、叩き落とすなんてとんでもないフェンリルにゃんよ!」

 フェンリルのように自由自在に飛べないのに、ルディのためにおぼつかない飛行を見せたエリナは、虫のように叩き落とされるという辱めを受けて烈火の如く怒っている。

「酷いにゃ! 酷いにゃ! 酷いにゃ!」

 フェンリルのマズルに向かってまったく威力のない猫パンチを連打し、エリナは全身で怒りを表した。

「すまない、本能なのだ、エリナがシロモコにじゃれついてしまうように、俺もつい、その、なんだ」

「魔物と一緒にするにゃああああああーっ!」

 涙目で猫パンチする白い子猫の可愛さに「むふん」と鼻息を荒くしながら、ルディはなんとか怒りをおさめてもらおうと必死に謝罪をしたのであった。
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