僕は彼女をこよなく愛している
その日の夜。

寝静まっている。
実陽と霞月。

しかしなぜか今日は、霞月は眠れずにいた。
正確には、いつも通り実陽に抱き締められ、頭を撫でられてすぐに眠りついたのだが、しばらくして目が覚めそれから眠れなくなったのだ。

さすがに実陽は眠っていて、滅多に見ない実陽の寝顔を見つめていた。
(いつも霞月は実陽より先に眠り、実陽より後に起きるから)

“るなちゃんが“助けて”って言ったら、何処へでも助けに行く”

「それじゃダメだよね……」
ポツリと呟く、霞月。

最近実陽とべったりなので、心なしか実陽に依存しているような気がしてならない。

家事はほとんど実陽がして、霞月は手伝う程度。
何処に行くにも実陽がついてきて、守られている。

大学の講義もわからないところは何でも教えてくれるし、いつも霞月中心に実陽が動いてくれている。

霞月は、実陽を起こさないようにベッドから下りた。

ココアを飲もうと思い、キッチンへ。
「あれ?
ココア…ない……
…………あ!夕ご飯のあと飲んで、切れたんだった!」

スマホの時間を見ると、1:25を表示している。

前のコンビニ、午前2時まで開いてるよね?

二人の住むマンションの道路を挟んだ向かいに、コンビニがあるのだ。
そう思い、パーカーを羽織った。
財布とスマホを握りしめ、玄関へ向かう。

「………」
(防犯ブザー、持ってた方がいいかな?
………いや、でもすぐ前だし、まっいいか!)

静かに内鍵を開けた。
ゆっくり回したが、カシャン…と内鍵を回した音が鳴る。

すると………その音だけで、実陽が目を覚ました。

「るなちゃん!?」

「え……!?」

ガタン…!!と音がして、実陽が駆けてきた。
「るなちゃん!!何してるの!!?」

「え?あ…えーと……」

「まさか!!こんな遅くに出ていこうとしてないよね?」

「………」

「バカ!!
今、何時だと思ってるの!?」

「ば、バカって……」

「バカでしょ!?
こんな遅くに出てくなんて…!!!」

「てか、寝てなかったの?」

「は?
寝てたよ!
でも僕は、ちょっとした音で目が覚めるの!!!」

結局そのまま実陽に強制連行され、ベッドに戻ったのだった。


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