僕は彼女をこよなく愛している
『実陽く〜ん!』

かなり酔っていて、まるで絡むように言ってくる。

「はい!」

『会いに来てくれる〜?』

「はい!
伺います!」

『じゃあ、一晩中霞月について語り合おうね!』

「はい!」
(るなちゃんについて語り合う?
うーん…なんだろ…)


霞月の父親がタクシーを回してくれて、実陽はタクシーに乗り込み霞月の父親の実家(霞月の祖父の家)に向かった。
(今は、霞月の叔父(父親の弟)夫婦が住んでいる)

家の前で霞月が待っていて、実陽は嬉しそうに降りて抱き締めた。

「るなちゃん!会いたかった!」

「うん。
お義母さんは?
ちゃんと顔出した?」

「うん!顔出してきたよ!」

「元気してた?」

「うん!元気、元気!」

「良かった!」

「お義母さん一人だし、気にかけてあげなきゃだよ?」

「うん」

「………ん?実陽?」

「母さん、また父さんと住むんだって」

「そう…なの?」

「ねぇ、るなちゃん」

「ん?」

「僕ね…
縁を切ろうと思うんだ」

「………え?どうして?」

「父さんは、不倫して僕が追い出した。
それは知ってるよね?」

「うん、それは聞いたけど…」

「そんな奴をまた、受け入れるんだって!
あり得ないよ!」

「………」

「………」

「実陽は、良いの?」
霞月が、意味深に見上げている。

「え?」

「本当に、お義母さんと縁を切れるの?」

「………」

「私の両親は、見ての通り仲が良すぎるくらい仲良くて、親戚もみんな明るくて仲が良い。
だから、実陽の気持ちがわからない。
でもきっと…本当は、縁を切るなんて嫌なんでしょ?」

「………」

「ただ実陽は、寂しいんでしょ?
大丈夫!私がいるから!
ね?
そんなこと、言わないで?」

「………るなちゃん…」

実陽は霞月に傍にいてもらい、電話越しではあるが母親に言った。

「母さんの好きなようにして。
大丈夫。
縁を切るなんて言わないから」

母親は『ありがとう、実陽……!』と泣きながら笑って言ったのだった。


そして…………

「へぇ~、君がカゲちゃんをたぶらかした男なのね」
「お前、霞月のこと幸せに出来んの!!?」
「ここで、誓え!!」

実陽は、霞月の親戚(叔父、叔母、従兄)に絡まれていた。

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