あやめお嬢様はガンコ者
「うん、なかなか良い滑り出しだな。海外支社からも報告が上がっている。本社の窓口がはっきりしたことで、仕事がやりやすくなったとな。連携を取りながら、この調子で進めてくれ」
「はい、承知いたしました」
社長の言葉に、俺とあやめさんは頷く。
「ところで、社内での周りの反応はどうだ?何か気になることを言われたりしていないか?私の耳にはそんなことは入ってこないがね」
「ご心配ありがとうございます。私もそのようなことはございません。あやめさんはいかがですか?」
話を振ると、あやめさんが口を開いた。
「私もそのようなことはありせん。久瀬くんが全社員に門戸を開き、立候補を募って新メンバーを入れてくれたことが功を奏したと思います。それ以前は少し遠巻きに見られていたような気がしましたが、今では温かく受け入れてもらっているように感じます」
あやめさんの言葉に、社長は深くソファに背を預けて腕を組んだ。
「確かにな。久瀬くんのおかげで上手く事が運んだ。この新部署が社内で浮いてしまうようでは、今後のふたば製薬の運営にも大きな影響があっただろう。本当に久瀬くんに部長を任せて良かった。年齢なんて関係ないね。大事なのはその人の信念だ。久瀬くんは、入社面接の時から並々ならぬ想いを持っていた。あの時君が語った言葉を、私は今も大切にしているよ」
「もったいないお言葉をありがとうございます、社長」
隣であやめさんがそっと俺の様子をうかがうのが分かった。
何の話だろう?と言いたげに小首を傾げている。
俺はあやめさんを見ると、内緒、とばかりに笑顔でかわす。
途端にあやめさんは、ポッと赤く頬を染めてうつむいた。
ん?まただ。
なぜこうも可愛らしい?
どうやら社長も何かを感じたらしい。
どうかしたのか?とあやめさんに声をかけた。
「いえ、何も。それではそろそろ業務に戻ります」
立ち上がるあやめさんにならって、俺も書類をまとめてから社長に挨拶した。
「それでは、失礼いたします」
「ああ。これからも頼むよ、久瀬くん、あやめ」
「はい、かしこまりました」
そして微妙に緊張気味のあやめさんと肩を並べて、オフィスに戻った。
「はい、承知いたしました」
社長の言葉に、俺とあやめさんは頷く。
「ところで、社内での周りの反応はどうだ?何か気になることを言われたりしていないか?私の耳にはそんなことは入ってこないがね」
「ご心配ありがとうございます。私もそのようなことはございません。あやめさんはいかがですか?」
話を振ると、あやめさんが口を開いた。
「私もそのようなことはありせん。久瀬くんが全社員に門戸を開き、立候補を募って新メンバーを入れてくれたことが功を奏したと思います。それ以前は少し遠巻きに見られていたような気がしましたが、今では温かく受け入れてもらっているように感じます」
あやめさんの言葉に、社長は深くソファに背を預けて腕を組んだ。
「確かにな。久瀬くんのおかげで上手く事が運んだ。この新部署が社内で浮いてしまうようでは、今後のふたば製薬の運営にも大きな影響があっただろう。本当に久瀬くんに部長を任せて良かった。年齢なんて関係ないね。大事なのはその人の信念だ。久瀬くんは、入社面接の時から並々ならぬ想いを持っていた。あの時君が語った言葉を、私は今も大切にしているよ」
「もったいないお言葉をありがとうございます、社長」
隣であやめさんがそっと俺の様子をうかがうのが分かった。
何の話だろう?と言いたげに小首を傾げている。
俺はあやめさんを見ると、内緒、とばかりに笑顔でかわす。
途端にあやめさんは、ポッと赤く頬を染めてうつむいた。
ん?まただ。
なぜこうも可愛らしい?
どうやら社長も何かを感じたらしい。
どうかしたのか?とあやめさんに声をかけた。
「いえ、何も。それではそろそろ業務に戻ります」
立ち上がるあやめさんにならって、俺も書類をまとめてから社長に挨拶した。
「それでは、失礼いたします」
「ああ。これからも頼むよ、久瀬くん、あやめ」
「はい、かしこまりました」
そして微妙に緊張気味のあやめさんと肩を並べて、オフィスに戻った。