色恋沙汰はどこまでも
「うん、西中。羽柴さんとは1回も同じクラスになったことないし、俺バスケばっかやってたから羽柴さんが把握してないのも無理ないよ」
まあ、私が把握してなくても相手側が把握してることなんてザラっていうか、私と美智瑠を知らない同中の人なんてほぼいないだろうし?これも良いんだか悪いんだかわかんないけど。
「俺、新藤恭輔(しんどうきょうすけ)。よろしくね」
「あ、うん。よろしく、新藤君」
「実は俺、羽柴さんのことが──」
「よーーし、出発すんぞ~」
担任の馬鹿でかい声のせいで新藤君の声が書き消されて『ごめん、なんて言った?』的な顔をしながら新藤君を見る。
「いや、ごめん。なんでもない」
苦笑いしながら、ばつの悪そうな表情を浮かべている新藤君に『ああ、私なんかと無駄に喋りたくないわな』と悟って、そっぽを向きながらスマホをいじる私に新藤君がそれ以上絡んでくることはなかった──。
まあ、私が把握してなくても相手側が把握してることなんてザラっていうか、私と美智瑠を知らない同中の人なんてほぼいないだろうし?これも良いんだか悪いんだかわかんないけど。
「俺、新藤恭輔(しんどうきょうすけ)。よろしくね」
「あ、うん。よろしく、新藤君」
「実は俺、羽柴さんのことが──」
「よーーし、出発すんぞ~」
担任の馬鹿でかい声のせいで新藤君の声が書き消されて『ごめん、なんて言った?』的な顔をしながら新藤君を見る。
「いや、ごめん。なんでもない」
苦笑いしながら、ばつの悪そうな表情を浮かべている新藤君に『ああ、私なんかと無駄に喋りたくないわな』と悟って、そっぽを向きながらスマホをいじる私に新藤君がそれ以上絡んでくることはなかった──。