色恋沙汰はどこまでも
 「ぎゃはは!!それマジでウケるよね~!!ほんっと恋愛下手だよねぇ、不器用さんなんだからぁ。まあ、でもさぁ……凛子も悪くなぁい?好きでもない男子と付き合うからそうなるんだって~」

 「その言い方、語弊しかないでしょ」

 とか言いつつ、ぶっちゃけその通りでもある。いや、ちょっと違うっていうか言い訳させてほしい。まず、告白されて『ま、この人ならいいかも』って思って付き合うの。で、好きになる努力をするっていうか、まあ自分を好いてくれてる人と一緒にいるわけだし?自然と好きになれそうになるじゃん?で、好きになれそうかも?みたいなタイミングで大概振られるの。

 たしかに私が悪いよ、悪いと思ってるからもう好きでもない男と付き合うのはやめた。だから、告白されても全部断ってたし、もう半年以上彼氏なんていない。もはや愛だの恋だの彼氏だの私には向いてなくて、一生独身でいいやとさえこの年齢で思いつつある。

 「てゆうかさぁ、凛子には擬人化文房具との恋愛のほうが性に合ってるんじゃなぁい?」

 「はあ?んなわけないでしょ。そんなの絶対に嫌だ」

 「だってどーせ長続きしないんだから、“期間限定恋”とかありっしょ~」

 「うざっ。親友に期間限定恋なんて薦めんなー」

 「んもぉ、凛子ってわがまま~」

 安心してください。こんなんでも私たちは“親友”です──。
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