色恋沙汰はどこまでも
 「はぁぁ。まあ、私らが行く学園なんて底辺中の底辺なわけだし、擬人化文房具なんて期待するだけ無駄だと思うけどー」

 全国各地の高校へ“その学校に見合ったスペックの擬人化文房具”が配布されるシステムが導入されてる=底辺には底辺に見合った擬人化文房具しか配布されないってこと。まあ、私と美智瑠が通う学園“自体”は底辺とは言えないけど。私と美智瑠が通うことになる“一般コース”は底辺中の底辺ってだけ。

 学園内には、・芸能コース・スポーツコース・特別進学コース・進学コース・一般コースってのがあって、良くも悪くもお金にものを言わせる学園って感じで、一般コースなんてある程度の世帯収入があれば誰でも簡単に入れちゃう。その辺は親にマジで感謝。

 「彪ヶ丘(ひゅうがおか)で玉の輿~とかあるあるじゃん?擬人化文房具との恋愛を楽しんだ後に他の男を探すのもアリかなぁって!」

 「そんなんでよく私に『尻軽女』なんて言えたわね」

 「だからぁ、冗談だって~」

 まあそう思われても仕方ないし、美智瑠は私に対して本気でそんなこと思ってないのもわかってる。一部からビッチだのなんだの言われてたけど、勝手に言ってれば?としか思わなかった。だって実際、ビッチとは真逆の処女ですけどって。

 「付き合っても『凛子ちゃんって本当に俺のこと好き?』とか『やっぱ見てるだけで充分だったっつーか、憧れは憧れのままでいいかな』とか『俺が釣り合ってないわ、ごめん!』とか……。告白されて付き合っても一方的に振られてるの私なんですけど?」
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