色恋沙汰はどこまでも
── 20✕✕年 4月 某日、彪ヶ丘学園(ひゅうがおかがくえん)。
彪ヶ丘学園と言えば大概の人が『あ~、なんか聞いたことあるかも』ってレベルで有名ちゃ有名な学園。広大な敷地に綺麗な校舎が数棟あって、一般コースの校舎だけパッと見でわかる、汚くないけど綺麗でもない校舎。
美智瑠と玄関口に張り出してあるクラス分け表を見て、奇跡的に同じクラスだったことを『ラッキー』と互いに軽く喜び自分達の教室へ向かっていた。
「なぁ、あのちっさいギャルの子めっちゃ可愛くね?」
「おっ!俺その隣のちょっとヤンキーっぽい綺麗な子くっそタイプだわ!」
「あー、わかる!俺もあの綺麗な子一択だわ、レベルたけぇ!」
「つーかスタイル良すぎだろ、やべぇな!」
ギャルとヤンキーとか私達のこと言ってんだろうな。ていうか、ヤンキーじゃないし。たしかに親は元ヤンだけど私は違うし!まあ、元ヤンの親に育てられた私は普通の女に育つはずもなく、美智瑠みたいにフワフワした女の子らしさの欠片もないけど。ま、美智瑠も別にフワフワ系って柄でもないわ、うん。
「凛子ヤンキーだってさ~。マジでウケるぅ」
「まったく笑えないんだけど」
「ハハッ!あながち間違ってなくなぁい?てゆうかヤンキーじゃ~ん」
「ちげーよ」