色恋沙汰はどこまでも
 ジト目で美智瑠を睨み付けると笑いながらスマホをいじって、見てくださいと言わんばかりにスマホを向けてきた。そこに写っていたのは──。

 「ちょっ、それ消してって言ったじゃん」

 「え~、だってこの凛子かっこいいんだもぉん。女のあたしでも惚れちゃ~う」

 「マジで勘弁して、黒歴気でしかないから」

 認める、認めるよ。血は争えないでしょ、仕方ないじゃん。

 「でも凛子は理由がなきゃこんなことしないって知ってるから。この時もあたしを助けてくれたんだし」

 どこか誇らしげな表情を浮かべてニコニコしながら私を見上げてくる美智瑠。そんな美智瑠が愛おしい。

 「まあ、どちらにしろ喧嘩とかそういうのはもうしたくない。お父さんとお母さんテンション上がってうるさいし」

 「ちょ、それマジでウケる~」

 「いや、ウケんし」

 ※元ヤンな両親は私が喧嘩すると大喜びするというキチガイな夫婦です。ちなみに美智瑠が見せてきた写真は、美智瑠をナンパして無理やりホテルへ連れ込もうとした男二人組をボコボコにしてる時の私だった。

 「なんか嫌だな、ああいう子達」

 「うん、風紀乱れるよね」

 「なんか怖いし、人の彼氏とかに手出して問題起こしそう」

 ここ、彪ヶ丘学園には特にこれといって身なりの規則はない。だから私と美智瑠は良くも悪くも派手だから目立つ。ゆえに注目の的。男子からは『ライク(連絡先)交換しよ』とか『彼氏いる?』と話しかけられて、女子からは白い目で見られる始末。
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