(二)この世界ごと愛したい




割れそうなくらい痛む頭。


そして、隣から私を呼ぶアキトの声。




「リンもう起きろ。朝稽古始まんぞ。」


「いっ…うー。」


「そら頭も痛てえよなあ。飲み過ぎなんだよ。」




あまりの痛みに、眠いと思いながらも目を開ける。





「あき…と。」


「ん?」




そうか。


昨日は文字通り浴びるほどお酒を飲んで。



アキトに……。







「リン、朝稽古…」


「〜っ無理!!!出来ない!!!」




全てを思い出した私は、未だ私を抱き締めたままのアキトから離れようと動く。



稽古なんてそれどころじゃない!!!


私は昨日何を…!!!





「お、落ち着けリンっ!」


「とにかく離して!アキトのばかー!!!」




城中に響くほど私は堪らず叫ぶ。






「リンちゃんっ!?」


「は、なちゃ…!助けてっ!!!」


「ええっ!?」




私の救世主ハナちゃんが、驚きながらもアキトから私を引き剥がして助けてくれた。


私はもうハナちゃんにしがみつく。




「アキトさん何したんです!?」


「二人ともとにかく落ち着け。とりあえず今日の稽古…無理だな。そうだ、無理だ。落ち着いて話そう?な?」




アキトが話そうと促すが。


昨日の恥ずかしい行為が頭に蘇り、私は火が出るほど顔が赤く染まる。





「…でき、ない。」


「それはマズいって。トキが帰ってきたら俺が殺される。」




稽古なんて今はとても無理。


心乱れすぎてたぶん怪我人で溢れ返す自信がある。



それにもうどんな顔でアキトと話せばいいのか分かんない!!!





「自業自得でしょう!?とにかくリンちゃん私が預かります!隊士の皆さん待ってますからアキトさん行って来てください!!!」


「…ちっ。」




ハナちゃんに怒られたアキトは渋々部屋を出て、稽古出来ない旨を説明しに広場へ向かう。





「ハナちゃんー…。」


「リンちゃんもう大丈夫!とりあえずお風呂入ってコーヒー飲んで、私といよっ!」




アキトがいなくなったことで素直に落ち着く私の心。


そしてハナちゃんに大いに癒されている。




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