(二)この世界ごと愛したい
恥ずかしいのと苦しいのは頂点に達してる。
お酒の力も相まって身体が異常に熱い。
このまま進んで行ってしまったら、傷付くのも後悔するのも…たぶんアキトだ。
「っ…。」
「…リン?」
そう思ったら、私の視界は苦しさも相まって涙で滲む。
「はあっ…、あ…きっ。」
「苦しかったか?」
私の口内から指を抜いたアキトが、心配そうに私を見下ろす。
苦しいよ。
でも、アキトもたぶん苦しくなるからもう止めてほしい。
「…や、め…っ。」
「…ああ、わかった。」
アキトは私を抱き締めたまま、横になる。
もうこれ以上はやめてと言った私の頭をぽんぽんと撫でるけど。
アキトの指を見るとやはり血が滲んでいて。
「ごめ…ん。」
「は?」
「苦しくて、ごめんね。いたかった?」
「…お前なあ。」
そっとアキトの手を握ると呆れられた。
「あーそうだな。お前はそうだった。」
「うん?」
「こんな時まで人の心配するような奴だったな。」
「うん?」
私はアキトの手を離すことも出来ず。
だからと言って何もすることは出来ないんだけど。
「…アキト?」
「ん?」
「…うでまくら、ない。」
「俺を殺す気か。」
そう言いながらもすんなり腕を差し出してくれて。
私もすんなりその腕に頭を乗せる。
「いっしょにねよ?」
「…お前マジで二度と酒飲むな。」
「うん?」
本当はもうずっと眠りたいと悲鳴を上げていた私の身体は、素直にそのまま夢の世界へ一直線。
しかも安定の腕枕付きなので、光の速さで眠りに着く。
「…明日からどうすっかなあ。」
そして、アキトさんはこの日。
酔っ払った私の姿を何度も思い返しては悶えてを繰り返し。結果、一睡も出来なかったとか。