(二)この世界ごと愛したい
それにしてもこの逃げてる人、相当強い…と思う。
気配を消すのが上手すぎる。
その人は敵意も殺意もないにしたって、私も捉えることが難しい。
「……。」
もういいかな。
めんどくさくなってきたな。
私はそう思い屋外の大衆食堂みたいな場所で、空いた椅子に座る。
実はお腹すいちゃって?
お金ないんだけど?
お願いすればコーヒーとお茶菓子くらい出してもらえないものだろうか。
「うー…。」
他の席へ運ばれている美味しそうな甘味物を思わず眺めてしまう。
その甘味物の行方を追うと。
バチッと。
示し合わせたように目が合った。
それを注文しただろうお客さんと。
「……。」
「……。」
ないない。
ありえない。
あの人がこんな場所にいるわけ…。
ただ、もしもの場合があるといけない。
私は立ち上がり、早々にこの場を去ろうと思い立つ。
「この辺りか!?」
「ああ、姿を見た奴がいた。」
軍人数人が彷徨き始めた。
一人の軍人がこの店に入り込む。
まさかまさか。
追われてるのは先程私と目が合ってしまった、あの人か…。
何だってこんなところにいるんですか。
「出て来い!エゼルタのシオン!!!」