(二)この世界ごと愛したい
「ねえアキト。俺王宮で馬鹿共とずっと喋って疲れてるんだよね。わざわざリンとシオンが会わないように待ち合わせの場所も臨時で変えてって配慮もしたんだけどね。もちろんアキトのためにね。」
「だ、だって俺聞いてねえ…。」
「それは四六時中リンと一緒にいるアキトに言えなかった俺の落ち度だけど。だって予測できないからね。稽古で忙しいはずの二人がまさか街で遊んでるなんて。」
「遊んでねえ!俺は本当にリンを迎えに来ただけで…!」
「それもアキトの身から出た錆だよね。自業自得だよね。いくらリンが好きで好きで堪らないからってやって良い事と悪い事くらい判別出来ると思ってたよ。」
「うっ…。」
私はうんうんと非常に共感して聞いています。
「そこで頷いてるリンはアキトの気持ちも理解したわけだよね?」
「へ…あ…〜っ。」
「照れてる姿も可愛いけど、それなら俺の理想も視野に入れといてね?」
「そ、それはっ…!!!」
向かう所敵なしのトキさんにはもう敵う気がしません。
しかもシオン将軍も待てと言われて大人しくしてるけど一応いるんですよ!?
それなのにそんな大々的に言わなくてもいいじゃん!?
…あ。
先に言ったの、私でした。
「シオンのことも聞いた?」
「お、お兄さんだと伺いました…。」
「そっか。じゃあシオンとはここで話そうと思ってたけどやっぱり城で話そうかな。」
「もちろんです!私は大丈夫です!」
トキのお兄さんに粗相はしませんよ。
私も邪魔にならないよう失礼のないよう立ち振る舞いますよ。
「じゃあシオン馬ないから、リン悪いけどシオンを城まで運んであげてくれる?」
「うん……えっ!?」
「城の連中はシオンの顔知ってるから大丈夫。すんなり通してくれるよ。」
「そ、そうじゃなくて!それなら私がアキトかトキと帰ってお兄さんに馬貸してあげれば済むのでは!?」