(二)この世界ごと愛したい
飛んで帰るなら日のある内に帰らねばならない。
城までの我慢だ。
覚悟を決めろ!私!!!
「…とりあえず何の感情もなく私を抱えてもらえます?」
「これでいいですか。」
「っ!?」
流石は兄弟。
ここは王道なら横抱きにするところを縦抱き。
近すぎてなんか腹立つ。
「兄弟揃って人を子供みたいに…。」
「俺からすれば子供です。」
「…あーアホくさ。もういいです。そのまま動かないで。」
私は早く城に着きたい一心で舞い上がる。
「不思議ですね。」
「そうだねー。」
「その力一体何なんですか?」
「伝説らしいよー。」
当たり障りのない私の回答。
シオン将軍は私を縦抱きのまま抱えているので。それはとんでもない距離ですが。
私の心は無です。
「…トキが大事ですか?」
「余計なことは何も言わないで。私はトキ以外からもう何も聞きたくない。」
「…エゼルタに来ませんか?」
「ここぞとばかりに勧誘もやめて。私は私の意思で動くからあなたの望みは叶えてあげられない。」
早く着け!城!!!
来る時はそんなに遠くなかったから大丈夫!すぐに着くはず!!!
「貴女の意思…。」
「……。」
「貴女に関しては読めない事が多い。」
「残念だねー。」
今だって私から何かしら読み取ろうとしているのは分かってる。
だけど探らせない。
私はこの人を決して侮ってはいない。