(二)この世界ごと愛したい



「ちょっとギア上げるよー。」


「はい!」



割と早い攻撃にも対応出来てる。


定形外の動きにもちゃんと反応出来てる。



ここで私は敢えて死角から攻撃をサクに繰り出す。




「っ!?」


「はい、ここサクの次の課題ね。」




首に添えられた剣を見て目をパチパチと驚くサクに、私は優しく諭す。




「敵の動きはもっと良く見て、読めるようになろうね。」


「あー悔しいっす!」


「サクは視野広いし大丈夫だよー。」


「うっす!」




もうかなりサクに時間使ってしまったけど、次はアキトだ。


アキトと稽古するにはもう双剣では対応出来ないので、私は一本だけ鞘に収める。




「アキトおいでー。」


「…あいよ。」



この猛々しく勇ましい。


強く咲かんとする花の開花を狂わせる。




「トキたぶんビックリするよー。」


「お前等の計算通りだろ。アイツは別に驚きはしねえよ。」


「…私もトキも誤算だったんですよね。」


「はあ?」




とりあえず稽古しましょうと。


私が声を掛けると、アキトは不思議そうにしつつもその矛を振り翳す。




「おっもー…。」


「加減すっかあ?」


「それじゃアキトの稽古にならないじゃん。受けずに躱すに徹するよ。腕もげる。」




一太刀、剣で受けたものの。


案の定私の腕が悲鳴をあげたので、もう受けるのやめます。



そこから宣言通り、アキトの攻撃をひたすら躱し続けて。私は持ち前のスピードで間合いを詰める。




「もう、せっかくリーチあるんだから上手く使ってよー?」


「まだ慣れねえんだよ!!」


「はいはい。疲れてくると振り遅れるのは課題なので、頑張って鍛えてくださーい。」


「お前は相変わらず余裕だなあ!?」




…余裕って。




「そんなのどこにあんの。」


「ああ?」


「…あ、隙あり。」




不意打ちしてみてもアキトは冷静に反応する。


最初こそボロボロになって始まったアキトとの稽古ですが、今となっては無傷。私もですけど。



ほぼ拮抗した稽古に思わず笑ってしまう私。





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