(二)この世界ごと愛したい
現状、私が誤ってしがみ付いている状態。
離れねばならないことは頭で理解していても、寝起きで頭の回転も動きも鈍い。
「…俺には触るなって言ったくせに。そっちはアリなわけ。」
「な、ナシ…です。」
面目ないです。
ハルの名前に翻弄された。
「…で、いつまでそうしてるんですか。俺は構わないですけど。」
「も、もう離れます。」
のそのそとシオンから離れ、背中を向けて布団に潜る。
よりによって、ハルとシオンを間違えるとは私の馬鹿。大馬鹿。
そしてエゼルタの朝寒い!!!
「ねえ。」
「…何?」
「今は触ってもいいですか?」
今とか前とか後とかないんだー。
いつだってダメなんだー。
「だ…め。」
聞いておきながら、後ろから私を抱き締めたシオン。
返事聞く気ないなら聞くな!?
「口きかないって言ったけど。」
「貴女から触ってきたんで。無効でしょ。」
「無効じゃない。もう話さない。」
「…貴女が寒そうなんでって理由になります?」
この人の歯痒さ満載の優しさはどうにかならないものだろうか。
怒りたいのに怒れなくなる。
「……さ、三分だけ…なら。」
「…かわい。」
回された腕に一段と力が込められ。
私の後頭部に顔を寄せる。
可愛いなんて、アキトの城で言われ慣れたと思ったのに。
「〜っ…。」
未だ悶えてしまうのは、相手が相手だから。