(二)この世界ごと愛したい
なので、今日は私の好きにさせてもらうことになりました。
ディオンの人気のない場所。民家もなくただの荒地。そんな開けた場所に降り立つ。
「よし!頑張ろうっ!」
ここで私は、とある作業を開始。
作業に追われていると、夜が来て、それでも手を止めずに頑張って。そしてほんのり朝日が顔を出す。
朝日が顔を出したところで、何とか終えたいところまでは終わったので。
明るくなったのを良いこと再び飛んで帰る。
「ただいまー…。」
「…は!?お嬢!?」
まだ朝早いのに、既に酒場にいるカイとおーちゃんは私を見るや目を丸くして驚く。
「泥だらけでどうしたん!?転んだん!?」
「…転ばないし。とりあえずお風呂入るー。眠たいー。」
夜通しの作業で、身体は寝たがっているが。
昨日出した手紙の返事を二人から頂戴しているので、私はセザール王宮へ行かねばならない。
高速でシャワーを浴びる。
泥だらけの身体を洗い流して、とりあえず綺麗な服に袖を通すと少しだけ目も覚めた。
「カイー。コーヒーくださいー。」
「あ、ああ。お嬢ヨレヨレやけど大丈夫なん?」
「ヨレヨレ…。」
「あんな汚れて喧嘩でもして来たん?」
カイの中での私のイメージって、そんなに喧嘩っ早いんですか?
「これでも姫やってたんですけどー。私そんなに乱暴に見える?」
「とても姫とは思われへん汚れ方やったけど。」
「…もう時間もたぶんないから。ちょっと急いでて仕方なくね。とりあえずセザール行ってくる。眠いけど。」