(二)この世界ごと愛したい
「お生憎様、私のハルはそんな小さい器じゃないのでご心配なくー。」
「…そうか。兄妹揃って、許してくれるのか。」
「まだそんなこと言ってるの?私がそんなの気にするように見える?心外なんだけど?」
「ああ分かった。もう言わん。」
スーザンへの用は済んだので。
時間がないから今すぐ取り計らってくれと頼み、私はレンとトキを連れて広間を出た。
我が物顔で王宮を歩いている私を、グイッと引っ張ったレンがそのまま自室へ向かうのでトキも一緒に来てくれる。
「リン、大丈夫?」
「全然大丈夫。それより二人も早めに準備してね。エゼルタの方、もっと嫌な感じになって来た。」
嫌な雰囲気満載だ。
本当に、エゼルタでは何が起こっているのか。めちゃくちゃ気になる。
「あのさ、リン?」
「んー?」
「まさか瞬兎さんも連れてけって言うつもり?」
「トキすごい!その通りです!」
やっぱりかと頭に手を当てるトキ。
「この状況で、俺がシオンに引き会わせるの?」
「だっておーちゃん、早くシオンに会いたいって可愛いんだもん。」
「俺は実家に帰るだけだけど、瞬兎さんを隠しながら行くの超めんどくさい。」
「大丈夫!トキなら出来るよ!」
嫌そうなトキですが、私は自信持ってと励ます。
だけどトキはやっぱり一枚上手です。
「これって、完全に俺を利用したリンの所用だよね?」
「……。」
「箝口令の奥は確かに知りたい、それはリンも同じで。逆にシオンに危険はないの分かったから俺行かなくても良いんだよね。そこに追加で瞬兎さん押し付けてって、リンはここで俺を使ってまで何を慌ててるの?」