苦くも柔い恋





確かに和奏は千晃が好きだった。


今思えば、そのまま何もせず放っておけば勝手に昇華してくれる程度の憧れだったかもしれない。


それが変わったのは、きっとあの日だ。

今でも忘れない。



高校一年の、その年一番の猛暑の日だった。




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