苦くも柔い恋
耳を塞ぐ。美琴の口から千晃の話なんて聞きたくない。
震える和奏に美琴は笑い、耳を塞ぐ手をそっと離した。
「教えてあげる。千晃の弱いところはね——」
囁かれた言葉に、視界が真っ黒に染まった。
力無く腕を落として項垂れると、美琴は声を上げて笑った。
そしてゆっくりと立ち上がり、テーブルにお金を置いた。
「またね、和奏。近いうちに電話するよ」
地獄のような言葉を残し、美琴は去って行った。
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