苦くも柔い恋
文化祭の準備をする上で内装は当日接客を行わないメンバーでする事が決まり、有無を言わさず接客に回された和奏は部室の使用許可を取り、クラスメイトに茶の淹れ方を教えていた。
そんな中、各々が点てた抹茶を試飲してみようとなり休憩がてら雑談が始まったのだが、そこで何がきっかけだったかいつの間にか恋愛話に発展してしまった。
「橋本さんは彼氏いないの?」
聞き役に徹してできるだけ話を振られまいとしていたけれど、親切なクラスメイトが気を利かせて聞いてきた為、逃げられなくなってしまった。
「えっと…」
果たして今の関係を付き合っていると言えるのだろうか。
デートもしない、連絡もまともに取らないような関係を堂々と付き合ってるなんて言ってしまうのは少々歪んでいる気がする。
「一応は…いる、かな」
だから言葉の最初に一応だなんて曖昧な言葉を付けた。