エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
「というか、認めるんだね? 御堂課長に恋してるって」

 イタズラっぽい笑みを浮かべる沙希。彼女には、今まで何でも話してきた。指輪の思い出も、男性が苦手なことも。だから、正直に言おう。

「うん。私は御堂課長が好きだよ」

 だけど、既に恋人同士であることは話せない。仕事に支障が出てはいけないもの。
 沙希は「そっかそっか〜」と上機嫌で笑った。

「良かったね、ようやく恋が出来て。野田(のだ)さんは乃愛のこと好きそうだったけど、最近は話し掛けてこないよね。諦めたのかな? 御堂課長には敵わないもんね」

 野田さんの名前が出てきてドキッとする。
 彼はAnge(アンジュ) Premier(プルミエ)のプロジェクトメンバーから外されて、今では全然話さなくなった。Angeで新企画が立ち上がり、人手が足りなくなったためというのが表向きの理由で、だから企画課の皆は、野田さんが私に告白したことを知らない。

 野田さんからは、その後、謝罪の手紙が送られてきた。文面から、彼が告白の件について、本当に申し訳なく思っていることが伝わってきた。
 まだ気まずさはあるけれど、もう野田さんが私に言い寄ることはないだろう。
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