離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

憧れの貴公子との再会

「ただいまっ!!」
ヴァリニア王国からの帰り道は
特に大きなトラブルもなく、
順調に進んだ。

美しい山々に囲まれたフィオルガルデ連邦は
自然豊かで空気も美味しく、
細胞から全てが若返るようだ。
やはり自分にはこちらが性に合っている。

一国の王と離縁するという
破天荒な出戻り娘を
アルドヴァール大公夫妻は温かく迎え入れた。
家族と穏やかな日々を過ごすこと数カ月。
エレオノールは心身ともに
十分にリフレッシュし、
いよいよ行動を起こそうと決意したのだった。

「お父様、エレオノールはこの通り、すっかり元気になりました。ですから旅に出ようと思いますの。」
「どこへ旅に出るんだ?」
「フィオルガルデ連邦の国々を回ってみたいと思ってますの。まずはお隣のドレシア公国から・・・」
「ドレシアはダメだ!」
エレオノールがドレシア公国の名前を出した途端に
穏やかだったアルドヴァール大公の顔が曇った。
ドレシア公国とはずっと仲が良かったはずだ。
なのに何故・・・?
「ドレシア公国には最近良からぬ噂が多いのだ。ドラゴニア帝国と裏でつながっているという疑惑も出ておるし。」
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