離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~
ドレシア公国は領土は小さいものの、
ドレシア公に商才があり、
経済は比較的潤っていた。
その潤沢な資金を
最近軍備増強に充てているらしい。

フィオルガルデ連邦は連邦内の結束が強く、
他国からの侵略は共同で防衛にあたるので
軍事力にはさほど過不足はない。
一方で、
他国の戦争に関与せず中立の立場を取るので、
ドレシア公国の軍備増強は
他の自治国家からすると異様に映るのだ。

今までは連邦内では自由な行き来が出来ていたが
最近はドレシア公国に入国しようとすると
検閲が行われる。
他国を排除するかのようなドレシアの姿勢に
アルドヴァール大公が警戒するのも無理はない。

ライガンに会えるかもしれないという
エレオノールの密かな胸の高鳴りは、
父親の断固とした反対によって
急速に鎮まっていった。
しかしそれは一時的なもので、
反対されるとさらに燃え上がるのが恋心である。
ライガンにもう一度会いたいという気持ちが
エレオノールの中から消えることはなかった。

ヴァリニア王国では猫を被っていたが、
エレオノールは本来、
それなりにお転婆な性格であった。
幼い頃から兄にくっついて遊んでいたので
乗馬はお手の物だ。
ライガンに会いたいという気持ちが募り、
エレオノールは馬に乗って
ドレシア公国との国境を目指すことにした。
父親にはお忍びで国内を巡りたいと願い出て
了承は得ている。
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