離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~
そしてついに晩餐会当日。

着付けとヘアメイクが完璧に施された自分に
エレオノールはいつになくご機嫌だった。
自分で言うのもなんだが、
結構似合っているではないか。
アンリエッタが手配してくれたドレスは
デコルテががっつり出ているオフショルダーで、
繊細なレースのフリルが幾重にも施された
職人技の光る一品だ。

エレオノールが鏡の前で自画自賛していると、
アンリエッタが部屋に入ってきた。
「あらあら王妃様、今日はいつになくお美しいこと!私の見立て通りね。」
「アンリエッタ様、素敵なドレスをありがとうございます。とても気に入りましたわ。」
エレオノールの変身ぶりは
アンリエッタの予想以上だった。

エレオノールはあまりお洒落に興味がないのか、
地味で落ち着いたデザインのドレスばかりで 
これでは国王の気も惹けないだろうと
アンリエッタはずっと思っていた。
しかし、
今日のエレオノールの変身ぶりはどうだろう。 
さなぎが蝶になったかのようだ。
これはまさかの番狂わせがあるのではと
内心ニヤニヤせずにはいられなかった。

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