離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~
「もう、ちょっと冗談言ってみただけよ。そんな本気にしないで。」
アンリエッタもおどけてみせる。
それから3人は他愛ない話で歓談したが、
話題が今度開かれる晩餐会の話になった。

「王妃として出席する最後の晩餐会なんだから、ここはうんと気合いを入れてお洒落して国王陛下を見返してやりなさい。」
「国王陛下を見返す?」
「そうよ、エレオノール。こんな良い女をみすみす手放すなんて、俺はなんて愚かなんだ!って国王陛下に後悔させてやるのよ。」
エレオノールは背が高いことがコンプレックスで、
高身長が目立たないように
ヒールの低い靴を履いて、
装飾があまりないシンプルなドレスを着ていた。
ファッションに敏感なアンリエッタは
それが不満だったらしい。

実を言うと、
エレオノール自身も
アンリエッタが着ている流行最先端の
デコルテをがっつりと出すドレスに
密かな憧れがあった。
そういうわけで、
どうせ最後なんだからという気持ちも手伝って
アンリエッタの全面プロデュースを
受け入れることにしたのだった。
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