100日後、キミのいない世界で生きていく
第一章

平凡で愛おしい日常

14歳。子どもでも大人でもない年齢。

私たちは葛藤を繰り返しながらただがむしゃらに“今”を生きていた。

一生で最後の友情と恋愛を14歳のあの頃に、私は全て捧げたんだ–––。



「わーん、数学の宿題持ってくるの忘れたー!今日一時間目から当てられるのにー!」


泣きながら鞄をひっくり返して中身を全部出してみるけど、お目当ての数学の宿題をやったノートは出てこなかった。

きっと自分の部屋の机の上に置きっぱなしにしてきちゃったんだ…。


「なに朝から騒いでんの。ノートなら私のでも写しな」


彼氏と登校してきた私の大好きな女神様、日下部美波(くさかべみなみ)が呆れたように私の頭にぺしっとノートを乗せてきた。


「わーん!美波大好き!私を愛人にして!」

「ひっつくな!」


美波はいわゆるツンデレで、本当は嬉しいくせに抱きつく私を乱暴に剥がしてくる。

サラサラの長い黒髪のポニーテールもモデル顔負けに綺麗に整っている顔も、少しハスキーな声もツンデレな性格も全部大好き。

私の大事な親友だ。


陽菜乃(ひなの)と浮気すんの?俺は捨てられるのか」
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