100日後、キミのいない世界で生きていく
真剣に怒っているというのに莉久はふっと吹き出すと盛大に笑い出した。


「その運命の人にいまだに出会えてない陽菜乃に言われたってなー?俺はおまえみたいな無謀な恋ばっかりは嫌なんだよ。楽で手に入れやすい愛で十分」

「な…っ、莉久は本当の恋っていうものがなんにもわかってない!楽な恋愛なんて一つもないのに」

「はいはい。体育祭出ればいいんだろ。陽菜乃に邪魔されたから女の子もいなくなっちゃったし、大人しく校庭行くよ」


逃げるように莉久は話を変えると、私の頭を軽く撫でてから教室を出て行った。


友達だから間違ってることに気づいてほしいのに、なんでわかってくれないんだろう…。

莉久の恋愛はいつも冷たくて愛なんて感じない。

そんなのあまりにも損していると思った。





「陽菜乃」


ボーと次の競技が始まるのを座りながら待っていると、いつの間に隣にいたのか美波が頬をむにっとつまんできた。


「どうしたの?お昼からなんか変だけど」

「え…な、なんでもないよ!元気!」
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