100日後、キミのいない世界で生きていく
若菜は世の中で言うぶりっ子キャラというやつで、おっとりとした口調とあざとい仕草から何十人もの男子生徒を落としてきた。

しかし仲のいい私たちの前では意外と毒舌も多く、そんなギャップが私は大好きだ。


「見ろおまえら。昨日ナンパした三個上の高校生。超巨乳じゃね?」


登校してきて早々胸を強調しながら撮ったであろう女の人の画像を、センター分けの髪を掻き上げながら大葉莉久(おおばりく)が自慢をするかのように私たちに見せてきた。

莉久は顔もいいし口も上手いやり手で、浮気なんて日常茶飯事。

チャラくて年上好きのただのクズ男だ。


「やだぁ、朝から女の人のエロい画像なんて見て莉久のへんたーい。クズ男ー。てか今は一個上の先輩と付き合ってなかったぁ?」

「あー束縛強め女で別れた。若菜ももうちょっと胸が大きければ相手してやるよ」

「キモーい、クズなんて眼中にもありませーん」

「うおー莉久!おまえまたいい女引っ掛けたな!」


この三人とは中二に上がってから仲良くなり、元からいつメンだった颯太、若菜、莉久の三人と私たち三人組が合体して、今では六人で毎日一緒につるんでいる。


「こらー!大葉!おまえはまたスマホを持ってきて!あ、長谷川!おまえは今日もワックスつけてるな!?」

「げっ、小谷(こたに)じゃん。逃げんぞ、颯太!」
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