100日後、キミのいない世界で生きていく
「でも…莉久がかわいそうだよ」


二週間が経っても、私たちの仲はいまだに戻っていなかった。

もうすぐ夏休みなのにいつまで経ってもこんなギスギスとした雰囲気のまま迎えたくない。


「莉久は本当にあれから浮気なんてしてないし、女子の連絡先も全部消してくれて改心したんだよ?いつになったら美波たちは莉久のことを許してくれるの…?」

「そんなの今だけだよ。こんなこと言いたくないけど、陽菜乃こそいつになったら現実を見て莉久と別れてくれるの?私たちは莉久のことも友達だと思ってるけど、陽菜乃がまた傷つけられるのが嫌なんだよ。今は離れてる方が一番いい」


信用を取り戻すのは難しいとわかっているけど、これが本当に私たちにとって一番いい方法なの…?


「私は…莉久と別れたくないよ。好きなのにどうして離れないといけないの…?」

「どうせ陽菜乃の“好き”だって、新しいいい感じの人が現れればすぐになくなるよ。今までだってずっとそうだったんだから。わざわざ莉久にこだわらなくても、陽菜乃なら簡単にできるでしょ?」


ツンと鼻の奥が痛んだ。悲しくて涙が出る前の前兆。


今やっとわかった。

みんなは莉久のことが信用できないだけじゃなくて、私の莉久に対する想いも信じていないんだ。

女子と適当に遊びを繰り返していたクズ男の莉久、惚れっぽくて好きな人がコロコロ変わっていた私。

みんなの中の今までのイメージを壊すのは、どうやったら、いつになったらできるのかわからないよ…。
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