妖狐少女と御曹司～最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?～

「はいはいっと」

　涼間先輩は私の肩から手を放すとクラスの中を見回した。

「でもさ、ここじゃ注目を浴びすぎるし、少し場所を移した方がいいんじゃないかなあって僕は思うんだけど？」

　私もハッと気づいて辺りを見渡した。

　クラスメイト達が全員キョトンとした顔で私たちを見ている。

　それだけじゃない。教室のドアにも窓にも、他のクラスからの野次馬が集まってきてる。

　ひええええっ……。

　やだやだやだっ。

　変な風に目立っちゃってるよっ……！

「そうだな。それじゃあ生徒会室に来てもらおうか」

　蒼木先輩が提案する。

「……はい」

　私は小さくうなずいた。

　これ以上注目は浴びたくない。

　涼間先輩がポカンとしている心菜ちゃんやクラスメイトたちに手を振る。

「じゃ、悪いけど朱里ちゃん借りるねー」

　心菜ちゃんたちは放心状態のまま手を振り返す。

「は……はい」

「ご、ごめん、すぐ戻るから」

　私はそう言い残し、蒼木先輩と涼間先輩についていった。

　一体どうなっちゃうの……？