妖狐少女と御曹司~最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?~
「あ、あのっ、私の持つ力のことは、他の人には……」

「分かってる。内緒にしておく」

「ありがとうございます」

 私はホッと胸をなでおろした。

 良かった。

 先輩、顔が整っているせいか一見冷たくて不愛想に見えるけど、意外と怖い人じゃなさそう。

 私はホッとしながら神社を出た。

 すると目の前に白くて大きな高級車が停まっているのが見えた。

 え……えええええっ!?

「えっ、もしかしてあれ、先輩の家の車ですか?」

「そうだけど」

「車で登校するんですか?」

 しかもこんなに大きくて高そうな車で?

「そうだけど。何かおかしいか?」

 蒼木先輩が不思議そうな顔をする。

「い……いえ」

 確かに先輩は蒼木グループの息子だし、高級車で登校してもおかしくはないんだけど……。

 一緒に学校に行くってことは、私もあれに乗るってこと?

 こんなの……目立ちすぎちゃうよ!

「あの……やっぱり私、歩いて行っていいですか?」

 私が後ずさりをすると、蒼木先輩は私の腕をぐいっと引っ張った。

「早く行かないと遅刻するぞ」

 ひゃあっ……!?

 結局、私は無理矢理蒼木先輩に車に押し込まれ、一緒に登校することになってしまった。
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