妖狐少女と御曹司～最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?～
　すると、クラスの女子たちが一斉に集まって来る。

「やっぱり噂は本当だったの!?」
「ねえ、どうやって知り合ったの？」

　私はしどろもどろになりながらも、蒼木先輩の計画書に書かれていた通りに答えた。

「えっと……美化委員の仕事中に知り合って、仕事ぶりを評価されてちょこちょこ生徒会の仕事を手伝っているうちに……その」

「えーっ、そうなの？　いいなあ」
「私も美化委員やればよかった！」

　きゃいきゃい騒ぐクラスメイトたち。

「どっちから告白してきたの!?」

「えっと……蒼木先輩のほうから」

　「えーっ」と声が上がる。

　そりゃびっくりするよね。

　でも計画書に書かれていた通りに話さないと。

　先輩の話と矛盾してウソがバレたら困るもんね。

「でもさすが蒼木先輩だよね。外見じゃなくて性格で選んだって感じ」
「きっとモテすぎて普通の美女じゃ物足りなくなってるんだよ」

　盛り上がるクラスの女子たち。

　えっと……それ、褒めてるの？

「あはははは……そうだね……」

　私が乾いた笑いを浮かべていると、不意に鋭い視線を感じた。

　振り返ると、教室の入り口で怖い顔をした女の子たちが三人、こちらを睨んでいる。

　……忘れてた。

　あの子たち、蒼木先輩のファンクラブ――じゃなくて、生徒会執行部の子たちだ！

　何かされたらどうしよう……。

　私はおびえながらその日一日を過ごしたのでした。
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