妖狐少女と御曹司~最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?~
 肩までの金髪をハーフアップにして、耳にはたくさんピアスが開いてる。

 制服のブレザーの下には指定のワイシャツじゃなくて赤いパーカーを着ていて、それもすごく目立ってる。

 だけど――白く整った輪郭に、猫みたいに大きな瞳。

 すごく綺麗な顔をしてるなって思った。

 もしかして芸能活動でもしてるのかな。

 それでこんなに派手だったり?

 私がじっと竜くんを見つめていると、竜くんは私の方を指さした。

「せんせ、俺、この子の隣に座ってもいい?」

 へ?

 私……?

 キョトンとしている私の横へ、竜くんは羽みたいに軽い足取りで駆け寄ってきた。

 そしてたまたま空いていた私の隣の席に勢いよく座ると、竜くんはニコリと微笑んだ。

「よろしくなっ!」

 右手を差し出す竜くん。

 な、なんか、やけに強引な子だな……?

 私はその手を恐る恐るにぎり返した。

「よ、よろしくね、竜くん」

「うん、よろしく!」

 ニコニコと人なつこい笑顔を見せる竜くん。

 良かった。

 外見は派手だけど、そんなに怖い人じゃなさそう……かな?

 
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