妖狐少女と御曹司~最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?~

 私たちがそんな会話をしていると、心菜ちゃんが教室に入ってきた。

「ねえ、みんな。さっき先生たちが話してたんだけど、今日、うちのクラスに転校生が来るんだって!」

 へえ、こんな時期に転校生なんて珍しいなぁ。

 私は不思議に思っていると、他の女子も転校生について話し始める。

「私、今朝見たことのないイケメンが先生と歩いてるの見たけど、もしかして!?」
「えっ、転校生、イケメン男子なの!?」
「蒼木先輩も彼女持ちになったし、次の学校のアイドルはその子かな」
「えー、あんた、涼間先輩狙いだって言ってなかった!?」

 うわさ話に花を咲かせる女子たち。

 みんな、イケメンが好きなんだなあ……。

 でも私には凪季がいるし、興味ないけどね。

 キーンコーンカーンコーン。

 チャイムが鳴り、朝のホームルームの時間が始まる。

 ガタガタと椅子を鳴らし、それぞれの席に着く生徒たち。

「転校生、いったいどんな子なんだろう。」
「ねー、楽しみ」
「イケメンなんでしょ?」

 みんなが待ちわびている中、がらりと教室のドアが開いた。

「みんなー、静かに。今日は転校生を紹介するぞー」

 先生の紹介で、一人の男子が教室に入ってきた。

「初めまして。蛇乃目(じゃのめ)(りゅう)です。みんな、よろしく!」

 うわぁ……!

 私は思わず口をあんぐりと開けて転校生を見てしまった。

 新しく来た転校生は、すごく派手な男の子だった。
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