見せかけロマンチック



「っあー…要するに、俺のことで悩んで困ってくれてんだろ」

「……」

「そうやってさ、俺のことしか考えられなくなればいいんだよ」

「っ、な」

「もっと悩んで困れ。俺は麗のそういう顔も好き」


そういう顔ってなに?私、そんなに困った顔してるの……っ?

なんでそんな喜んでんのさ。おかしいじゃん、私こんなに困ってるのに。


「っ、欲張りだ…!!やだよ私!!」

「麗に対しては欲張りだよ俺」


どんな言葉で返しても、それ以上の答えが返ってくる。
私はもう後戻りできないんだ、知世に振り回されるんだ、と痛いほど察してしまった。



────────────────


「お兄ちゃん……!!」

「ただいま…って、うわっ」


お兄ちゃんの帰りを知世と二人でソワソワ待って、リビングの扉が開いた瞬間お兄ちゃんに飛びついた。

驚いてよろけたものの、受け止めてくれてお兄ちゃんは困惑している。



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