見せかけロマンチック



そうやって笑い続ける私を、裕貴くんは時が止まったかのように見つめていて。

それに気づいて裕貴くんに視線を向けると、びっくりするぐらい耳まで顔が真っ赤だった。


「…麗ちゃん、可愛い」

「あー…うん。知ってる、ありがと」

「…違う、ほんとに可愛い」


どう反応するか迷ったけど、ここまで来たら素で行こうと思って。
私の顔が可愛いのは知ってる、という意味で答えると。

裕貴くんはなにか弁明するようにまた可愛いと言った。


すると、私の隣で頭を抱える知世が口を開いて。


「…あー……最悪」

「…なに知世」

「ごめん俺のせいだわ」

「ふはっ、別にいいよもう。ツッコミたくてしょうがなかったし」


本当に申し訳なさそうに謝ってくる知世に、笑ってしまう。
確かに知世のせいだけど、私も釣られたんだし。

教室でこうやって素でいられることなんてほぼないから解放感半端ない。



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