見せかけロマンチック



「…って、あの、いつになったら離してもらえる?」

「また倒れられても困るから、このままでいいよ」

「っ、それは無理…!それにもう倒れない!」


知世と密着しているこの状況に、私の心臓が持たなくなりそうで。

なのに余計力を込める知世に、かああっと顔が熱くなった。

…っ、こっちの気も知らないで……!!


「え、麗今日髪巻いてんの?」

「あ、うん……!どう?」

「可愛い。なにしても可愛いよ麗は」

「っ、まあね」


巻いてる髪に触れてもらえて、パッと顔が明るくなるのが自分でもわかる。


可愛いって言ってもらいたかったから巻いたんだ、って言えるような女子になりたい。

知世のことが好きって気づいて、アピールしようと決めた。
その日から初めて知世に会う日だったから、とびきり可愛くしたかったんだ。



< 186 / 328 >

この作品をシェア

pagetop