七宝 ‐なほ‐
「なーほー!
しっぽうって名前があるわけないさぁ!」

七宝は怒りながら、生徒会室の扉を乱暴に開けると、生徒会室を出て行った。

「あいやー…」

小さく蓮奈は呟き、

「安座間君、ごめんね。
七宝、しっぽうって昔からからかわれていたから、しっぽうって言われるとそれを思い出して怒り出すの」

海渡に頭を下げた。
そして、

「いつまでも会議を始めなかったわたしに問題があります。
上地さんのところはわたしが読みます」

毅然とした態度で、会議を始めた。


-「しっぽうとかアイツ、ありえないさぁ」

自宅の居間では、七宝が怒りながらちんすこうを食べていた。

「ただいま~!」

そこへ蓮奈が帰って来て、

「名前を間違えられたくらいでなんで帰るわけ!?」

七宝を咎める。

「れなってちゃんと読めるれーなーねーねーにはわからないさぁ」

七宝は怒りながら、ちんすこうを頬張る。
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