すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~

そして、別れは突然やってきた。

大翔の好きだった無邪気な笑顔は鳴りをひそめ、不安と悲しみでいっぱいの張り詰めた表情。ただ自分が悪いのだと頭を下げ、それでも大翔にはなにも言わせないまま去っていく華奢な背中。あの日の衝撃は今でも忘れられない。

自分でも情けないと思うが、当時は美咲が大翔を信じられないという理由がまったくわからなかった。消化しきれないまま訓練のためにアメリカへ発たざるを得ず、そのまま一切の連絡が途絶えた。

一年後、帰国してすぐに連絡を取ろうとしたが着信拒否されており、バイトも辞めていた。篤志に連絡を取ったものの、『美咲が望まない限り会わせるわけにはいかない』と妹思いの彼らしい鉄壁のガードに阻まれ、彼女が通う大学に足を運んでみると、あの無邪気な笑顔を別の男に向けている姿を目の当たりにしただけに終わった。

拒絶されている。そう思い知り、この八年は失恋を忘れるように仕事に打ち込んだのだった。

「その割に、悲壮感はありませんね」
「長い間燻ってましたから。ようやく会えたんです、もう引く気はありません」

半年前にサクラ航空に戻ってからは、篤志との交流も復活した。

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