すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~

正直に頷くと、遅番として出勤してきた辻村と葛西が食いついてくる。

「えっ! うまくいったって佐伯マネ、あのイケメンパイロットっすか?」
「きゃあ! 佐伯マネージャー、おめでとうございます」
「ちょ、ちょ、声が大きいっ」

慌てて窘めるも、ふたりはなぜか当事者の美咲以上に盛り上がり始めた。

「もったいぶってたけど、やっぱり佐伯マネもあの人が好きだったんっすね」
「そりゃ、あんなイケメンに溺愛されて落ちない女性はいないですよ!」
「うわー。空港中の女性スタッフが泣くんだろうなー」
「それは仕方ないですよ。だってもう佐伯マネージャーしか見えてませんって感じでしたし」

チャラそうな辻村と真面目な大学生である葛西は意外にも気が合うのか、ふたりでうんうんと頷き合っている。
そんな彼らに苦笑しながら、理香がパンパンと手をたたいた。

「わかったわかった、あとで私が根掘り葉掘り聞いておくから落ち着いて。これから一番行ってくるから、辻村くん全体見ててね。葛西さんはドリンクお願い」
「はいっ」
「了解っす」

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