すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか？～孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない～

「動画のリンク送ったから、家に帰って見てみたらいいわよ」
「家に帰ったら？　そんなに長い動画なの？」
「ううん、五分くらい。でもそれを見つけてきた辻村くんとか葛西さんはキャーキャー悶絶して一日仕事にならなかったから。美咲も家に帰ってからの方がいいと思うわ」

クスッと笑う理香の言葉に、美咲は首をかしげる。トラブルのあった飛行機のなにを見て悶絶するというのだろう。

気になったものの、今日は久しぶりに理香と休みを合わせてホテル『アナスタシア』のアフタヌーンティーを楽しんでいるのだ。

生ハムのタルティーヌやサーモンのキッシュなどのセイボリーと、桃のマカロンやメロンを贅沢にあしらったチーズケーキなどのスイーツが、馬車の形を模したケーキスタンドにまるでアートのように並べられている。

見た目のおしゃれさや美しさだけでなく、味ももちろん一級品。目と舌でしっかり味わって満喫したいため、スマホを見ていてはもったいない。

「わかった、じゃあ帰ったら見てみるね」

一旦話題を保留とし、美咲と理香は目の前の素晴らしい料理に舌鼓を打った。