すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~
そうして大学を卒業し、カランドに就職し、少しずつ時間に傷を癒やしてもらいながら自立した女性になろうと今日までやってきたのだ。
仕事もうまくいき、結婚に向けて一歩踏み出した。以前よりは自分に自信もついてきたところだったのに。
(まさかこんな日に大翔さんと再会するなんて……)
結婚願望はあったものの、あの恋と同じ苦しみは味わいたくない。だから悠輔とは嫉妬を伴う激しい恋愛感情ではなく、信頼で結ばれたパートナーとして家庭を築こうとした。
それなのに浮気されて別れたその日に大翔と再会するなんて、一体どんな巡り合わせだろう。
大翔は恋人はいないと言っていたけれど、それはたまたま今現在はいないというだけだろう。彼ほどの男性なら、あれからきっとたくさんの女性と恋をしてきたに違いない。
そう思うと胸の奥がチクリと痛む。自分の身勝手さに苦笑が漏れた。
(お世話になるのは今日だけ。この週末でひとり暮らしの部屋を見つけなきゃ)
美咲は自分に何度も言い聞かせると、広い浴槽にぶくぶくと身を沈めた。